RSV(Respiratory Syncytial Virus)は非分節マイナス鎖・一本鎖エンベロープ RNA ウィルスです。そのF蛋白(fusion protein)は、ウィルス侵入時のウィルスの被膜が細胞膜との融合と関連しています。多数の子供は出生から2年以内にRSVに罹りますが、早産児、幼児、免疫不全症の患者、高齢者が罹患すると、呼吸器感染症が重篤になり致命的となることもあります。現在発売されている医薬品Palivizumabと第III相臨床試験にあるNirsevimabはF蛋白の異なる部位に結合し、ウィルスと宿主細胞の融合をブロックすることで効果的に変異ウィルスの免疫逃避を防ぎます。YH009はウィルスを効果的に中和するヒト化モノクローナル抗体で、乳幼児のRSV感染の予防と治療に用いられます。現在YH009はCMC開発・工業化段階にあります。